インドの美味しい野菜料理
世界で最もベジタリアン人口の多い国、インド
インド料理というと、皆さんはどんな料理を思い浮かべるでしょうか。広大な国土をもつインドでは、東西南北で食文化が大きく異なります。レストランでよく見かけるインド料理は、バター、クリームといった乳製品や小麦を使った北インドのものが多く、南インドでは米が主食で、ココナッツオイル、ココナッツミルクを多用しています。東西南北インドの中でも、パンジャーブ、グジャラート、マハラシュトラ、ゴア、ケララ等それぞれ特徴の異なる各地域特有の料理があります。
インド出身の夫に出会ってから、毎年インドに帰省するようになり、インド各地の美味しい菜食料理に親しむようになりました。インドは人口の2-4割が菜食主義者とされ、世界で最もベジタリアン人口が多い国で、どこでもバラエティに富んだ菜食料理を楽しむことができます。
新鮮な食材を使って家庭で作る食事を大切にする文化
義理の母もいつも新鮮な野菜を買い求め、手間ひま惜しまず料理をしています。映画 「The Lunchbox(邦題:めぐり逢わせのお弁当)」でも描かれていたように、インドには新鮮な食材を使って家庭で作る食事を大切にする伝統があります。
北インド出身の夫の実家では、小麦を使ったチャパティ(全粒粉で作った発酵させない平たいパン)やパラタ(チャパティの生地にフィリングを入れて焼き上げたもので、じゃがいもやほうれん草等、様々なフィリングがあります)が主食のため、食事の度にフレッシュなものが用意されます。
インドの家族やインド出身の友人宅に招かれると、それぞれの自慢の料理でもてなしてくれます。スパイスを多用するインド料理を外国人である私が食べられるかどうか気にかけてくれ、インド料理が大好きと知ると、料理のコツなども喜んで教えてくれます。
こうした環境に加え、アメリカに移住してから以前より関心のあったアーユルヴェーダ・クッキングのコースで学ぶ機会に恵まれ、今ではスパイスがとても身近なものになりました。様々なスパイスを使うとより風味が一層豊かになりますが、シンプルなスパイスでも十分美味しいインド料理を作ることができます。
今回は色々な野菜が入ったミックスベジタブルカレー、ビーツのポリヤル(スパイスとココナッツで炒め煮した南インドのおかず)、アーユルヴェーダ風ターメリックライスをご紹介します。カレーにココナッツミルクを加えるとマイルドな南インド風の味わいになります。材料はいずれも4人分。1カップは240mlです。
ミックスベジタブルカレー
材料
- オイル 大さじ2
- 玉ねぎ(みじん切り)1カップ
- グリーンチリ(みじん切り) 1本
- にんにく、しょうが(すりおろし)各大さじ1
- 酸味の少ないトマト(みじん切り)1カップ
- フレッシュコリアンダー(きざんだもの)大さじ4
- 熱湯 1.5カップ
ミックス野菜
- 人参 1カップ
- じゃがいも 1カップ
- いんげん 1/2カップ
- グリーンピース 1/2カップ
- カリフラワー 1.5カップ
スパイスミックス
- チリパウダー(あればカシミリチリパウダー)小さじ1/2またはお好みで
- ガラムマサラ 小さじ1
- クミンパウダー 小さじ1
- コリアンダーパウダー 小さじ1.5
- ターメリックパウダー 小さじ⅛
- 塩 小さじ1またはお好みで
ホールスパイス(オプション)
- クミンシード 小さじ½
- カルダモン 3粒
- シナモン 1かけ
- ベイリーフ 1枚
- ココナッツミルクを入れる場合 フルファット(全脂肪)ココナッツミルク 1/2カップ
作り方:
- 鍋にオイルを熱してホールスパイスをいれ、音がしてきたら玉ねぎとグリーンチリを入れてきつね色になるまで炒める。
- にんにく、しょうがを入れて1分ほど炒め、火を弱めてからスパイスミックスを入れてしばらく炒めたら、トマトを加える。
- トマトが煮崩れてペースト状になるまで十分炒める。ココナッツミルクを入れる場合はここで加える。
- 食べやすい大きさにカットした野菜を加えて中火で5分ほど炒め、熱湯カップ1を加えてよくかき混ぜる。
- 蓋をして中火で野菜に火を通す。水分が少なくなったら様子を見ながら熱湯を足す。
- 野菜に火が通ったら塩、ガラムマサラで調整してから火を止めて、コリアンダーをトッピングする。
ビーツのポリヤル
材料
- ビーツ 2カップ
- ココナッツシュレッド 1/4カップ
- 白すりごま 大さじ1
- ターメリックパウダー 小さじ⅛
- 塩 小さじ⅓ またはお好みの量
シーズニング
- ココナッツオイル 大さじ1.5
- マスタードシード 小さじ¼
- クミンシード 小さじ½
- カレーリーフ 1枝分
- グリーンチリ(みじん切り)1本
- 生姜(みじん切り) 1かけ
- チャナダル(あれば) 大さじ1
- ヒング(あれば) ひとつまみ
作り方:
- ビーツは皮をむき、粗めのおろし金でおろす。
- オイルを熱し、マスタードシード、クミンシード、チャナダルを入れ、ダルがこんがりするまで火を通す。
- 生姜、グリーンチリ、カレーリーフ、ヒングを入れ火を通す。
- ビーツを入れ2分加熱する。
- 弱火にして蓋をし、ビーツが柔らかくなるまで火を通す。
- ターメリックと白すりごま、塩を入れて1、2分加熱してからココナッツを入れてよく混ぜる。
アーユルヴェーダ風ターメリックライス
材料
- バスマティライス 1カップ
- 塩 小さじ1
- クローブ 4粒
- シナモン 1かけ
- ターメリックパウダー 小さじ½
- ギーまたはココナッツオイル 小さじ1
- 米を研ぎ10分浸水させてから水切りする。
- 鍋に2カップの水を入れ沸騰させ、塩、クローブ、シナモン、ターメリックパウダー、ギーまたはココナッツオイルを入れ沸騰させる。
- 蓋をして弱火にし、15分火を通す。
- 火を止めて5分蒸らす。
備考:
- チリ、チリパウダーの量はお好みで調整して下さい。お子様や辛いものが苦手な方がいる場合は省いて下さい。
- オイルはココナッツオイル、オリーブオイル等お好みのもの(癖がないもの)を使用して下さい。フレッシュなカレーリーフが入手できれば、ギーまたはココナッツオイル小さじ2を火にかけて、カレーリーフを数秒フライし、火を止めたライスにかけて5分蒸らして下さい。
- カレーはお好みでバスマティライス、ターメリックライス、ナン、チャパティ等と一緒に召し上がって下さい。
2021年夏からワシントンDC及び近郊で暮らし、2024年5月よりサンフランシスコ在住。2023年にオーガニック&プラントベースのマイクロベーカリーを開店(現在は一時休業中)。キッチンスタッフとして働きながら、食を通した活動を模索中。