2022年11月1日 / 最終更新日時 : 2022年11月1日 横溝千代 私の本棚 『テスカトリポカ』 佐藤究著 角川書店 メキシコの麻薬カルテル同士の抗争からひとり生き残った麻薬密売人の男は、逃亡先で日本人の臓器ブローカーの男と出会い、川崎で闇ビジネスを立ち上げる。一方、川崎の暴力団幹部とメキシコ人の母との間に生まれた少年は、無垢な心を持っ […]
2022年8月1日 / 最終更新日時 : 2022年8月2日 マックヘール サンミ 私の本棚 Jeremy Denk著 Every Good Boy Does Fine (Penguin Random House出版) 映画「サウンド・オブ・ミュージック」のマリアが、“ドはドーナツのド、レはレモンのレ~”と、歌でドレミを教えたのに似て、子供たちに譜読みを教えるときは、Every Good Boy Does Fine というフレーズがよく […]
2022年5月1日 / 最終更新日時 : 2022年5月2日 ライク喜屋武聖子 私の本棚 フランク・パヴロフ著「茶色の朝」 ある日突然、「茶色のペット以外は飼ってはいけない」という法律が施行されたら? フランスの心理学者、フランク・パヴロフが書く『茶色の朝』は、そんな仮想世界が主人公と友人シャルリーの静かで何気ない日常を通して描かれているとて […]
2022年2月1日 / 最終更新日時 : 2022年2月1日 ターナー育子 私の本棚 The Science of James Smithson: Discoveries from the Smithsonian Founder 「知識の増加と拡散」 “Increase and Diffusion of Knowledge” これはワシントンDCにあるスミソニアン協会(Smithsonian Institution)の生みの親、ジェームズ・スミソ […]
2021年11月1日 / 最終更新日時 : 2021年11月1日 千葉裕子 私の本棚 瀬木比呂志「檻の中の裁判官 なぜ正義を全うできないのか」(角川新書) 2021年 日本の司法の危機 発展途上国では裁判官が買収できたり、刑罰の軽減が買えたりする。私が住んでいたイランでは鞭打ちの刑があったが、袖の下いかんで優しく打ってもらえると言っていた。現在の居住地インドネシア でも同様の噂を聞く。 […]
2021年8月1日 / 最終更新日時 : 2021年8月1日 Wain 前田裕子 私の本棚 『Cello Love ニューヨークチェロ修行』石川敦子著 著者はある日、ニューヨーク市カーネギーホールでのファミリーコンサートに何の気なしに出かける。そこで心底楽しそうな舞台上のチェロ奏者を目の当たりにし、感動のあまり一念発起してチェロを習おうと決意する。子どもの頃にピアノは習 […]
2021年5月1日 / 最終更新日時 : 2021年5月1日 髙井あおい 私の本棚 J.D.ヴァンス著「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」 関根光宏・山田文訳 光文社 本書は2016年6月に米国で出版されたHillbilly Elegyの訳本である。同年のトランプ政権誕生と相まって大いに注目を集めたそうだが、筆者はごく最近まで本書のことは全く知らなかった。本 […]
2021年1月31日 / 最終更新日時 : 2021年1月31日 ローレス陽子 私の本棚 岡倉覚三(天心)著『茶の本』(村岡 博訳 岩波文庫) まず、本書に出会ったことをありがたく思う。本書は1906年に、同著者により英文で出版されたThe Book of Teaの訳本で、もともとは西洋人のために書かれた本である。名画をわからぬ人に、絵を見せることなく名画である […]
2020年8月4日 / 最終更新日時 : 2020年8月4日 遠藤十亜希 私の本棚 Roz Chast著 “Can’t We Talk about Something More Pleasant?” 友人から贈られたこの絵本は、しばらくの間「積ん読」状態で本棚に置かれていた。アメリカの週刊誌「ニューヨーカー」の人気漫画家ロズ・チャストが著者で、出版年の2014年には数々の賞をさらった話題作であるにもかかわらず、「もっ […]
2020年5月1日 / 最終更新日時 : 2020年5月2日 小林知代 私の本棚 ドキュメント「時代を拓いた女性たち」読売新聞解説部 何度読んでもおもしろい、噛めば噛むほど味が出るスルメのような本とはこの本である。先人の日本女性たちは、差別や貧困や不幸にめげず、英知と持ち前のガッツで、未踏の地に突き進んだ。それも謙虚にエレガントに。ああ、これぞ日本人女 […]
2020年2月2日 / 最終更新日時 : 2020年2月2日 梶野紀子 私の本棚 柴崎友香「待ち遠しい」– 女性たちの生きづらさに寄り添う物語 毎日新聞の日曜版に連載されていたこの小説が書籍化されるのがそれこそ「待ち遠し」かった。連載の途中で毎日新聞の購読を止めてしまい、結末を知らないままだったのだ。 独身で、29歳からの一人暮らし歴10年になる主人公の北川春子 […]
2019年11月1日 / 最終更新日時 : 2019年11月1日 武藤芳美 私の本棚 関本のりえ著「世界で損ばかりしている日本人」 本書が出版されたのは、今から8年前の2011年。著者は、プロローグで3.11東日本大震災のことをマニラで知り、1995年に駐在先パリで知らされた神戸地震を思い起こしながら、各国の報道の仕方の違いを比較した。日本人にとって […]