香港で食するインドネシア風レンパーのパンダンカヤ添え

完成したインドネシア風レンパーをもつラベンダーさん

完成したインドネシア風レンパーをもつラベンダーさん

19世紀半ばまでは小さな漁村に過ぎなかった香港は、20世紀以降世界の中継貿易地として急速に発展し、1997年にその統治権が英国から中国に返還されてからも多彩な人々がごく普通に暮らす国際都市だ。その土地面積、人口は、どちらも東京都の約半分だが、そこには多種多様な食文化があり、それぞれの家庭の食卓に並べられる料理にはそこで生活する人々の歴史や価値観が映し出される。

私は、1980年代から度々香港を訪れているが、今回の香港滞在中、思いがけず興味深い香港人女性と出会った。Lavender Cheung (張宏艶)さんだ。香港でニュースキャスターとして活躍したこともあるラベンダーさんは、中国系インドネシア人二世として香港で育ち、香港中文大学で学士号を、その後、慶應義塾大学で修士号を取得している。インドネシアと中国の食文化が融合した家庭料理のレシピを教えてもらえないかとの、私の厚かましい要望に、彼女は快くこたえてくれた。

今回彼女に教えてもらったのは「インドネシア風レンパー (lemper)」だ。ラベンダーさんによると、レンパーは、簡単につくれるのに、美味しくて、一度口にすると病みつきになる万人向けのスナックらしい。これに自家製の「パンダンカヤ」と呼ばれるジャムを添えて提供すると、来客に喜んでもらえること間違いなし!レンパーを口にしながら、会話も弾むことだろう。インドネシアのブラックコーヒーとの相性も抜群だとのこと。

今回は、世界中大体どこにいても作れる “お手軽バージョン” のレシピを紹介してもらった。まずは、パンダンカヤから作ってみよう。

自家製パンダンカヤ

完成したパンダンカヤ

完成したパンダンカヤ

材料

  • 卵黄 100g(Mサイズの卵の場合は5個使用)
  • 砂糖 175g
  • ココナッツミルク 225ml(新鮮なココナッツミルクが望ましいが、なければ、缶タイプ、紙パックのものでも可)
  • パンダン汁 40ml(パンダンの葉* 5枚をそれぞれ1cm幅に切る → 45mlの水といっしょにジューサー、または、ミキサーやブレンダーを使って液体状にする → 液体を濾し布などで濾す)
  • 塩 ひとつまみ
  • コーンスターチ 小さじ1/5

* パンダンの葉は、米国ではH Martなどのアジア食材店で購入可。フレッシュなものが手に入らない場合は、乾燥したものより冷凍のものがお奨め。

作り方

  1. パンダン汁、ココナッツミルク、砂糖、塩を中弱火にかけて温める。
  2. 別の容器にコーンスターチを入れて、少量の水またはココナッツミルク(分量外)で溶き、ペースト状にする。
  3. ボウルに卵黄を入れ軽く泡立て、2.のペーストを加える。
  4. 1.がまだ温かいうちに、3.に加え、なめらかになるまで混ぜる。
  5. 4.を鍋に入れ、10~15分間よくかき混ぜながらクリーム状になるまで加熱する。
    ということで、調理時間合計約20分でパンダンカヤのできあがり!

インドネシア風レンパー (lemper)

では、次に、主役のレンパーに取り掛かることにしよう。「蒸したもち米のロール巻き」とも言い換えられる、このインドネシアの伝統的な軽食は、ココナッツミルクで炊き上げたもち米をバナナの葉で包むというのが基本形のようだ。さて、今回ラベンダーさんに伝授してもらったレシピは以下の通り。

材料

  • もち米 500g(もち米をさっと洗い、水に3時間浸した後、ザルにあげて水気を切る)
  • ココナッツミルク500ml(やはり新鮮なココナッツミルクを使って欲しいところだが、缶タイプ、紙パックのものでもOK)
  • パンダンの葉 2枚(ここでもまたパンダンの葉が登場!それぞれ結び目を作るか、細かく切っておく。パンダンの葉は「東洋のバニラ」とも言われ、甘く香ばしい香りをもつ)
  • レモングラス 適宜
  • 塩 小さじ1
  • バナナの葉 適宜(最後の仕上げで包む時に長方形に切って使用。ちなみに、バナナの葉には殺菌作用があるのだとか)

作り方

  1. 水気を切ったもち米を半蒸し状態にするために、蒸し器で15~20分間蒸す。
  2. もち米を蒸す

    もち米を蒸す

  3. もち米が半蒸しになるのを待っている間に、鍋にココナッツミルク、パンダンの葉、レモングラス、塩を入れ沸騰させる。香りが浸透したら、ハーブ類を取り除く。
  4. 2.が熱いうちに1.のもち米を入れてよく混ぜ合わせる。蓋をして、ミルクが完全に吸収されるまで放置する。
  5. 蒸したもち米とココナッツミルク

    蒸したもち米とココナッツミルク

  6. 3.を蒸し器に戻し、もち米が十分柔らかくなるまで、さらに30分程度蒸す。
  7. まな板などに長方形に切ったバナナの葉を敷き、4.を適量のせて広げる。巻き寿司を作る要領で、しっかりと巻き上げ、棒状にする。バナナの葉の両端をきれいに折りたたみ、爪楊枝で留める。
  8. 5.のレンパーを、バナナの葉に少し焦げ目がついて香りが引き出されるまで、フライパンで弱火で10~15分間焼く。
ほんのり焦げ目のついたバナナの葉に巻かれたレンパー

ほんのり焦げ目のついたバナナの葉に巻かれたレンパー

もち米の浸水時間を除くと、調理時間はだいたい約1時間。レシピの材料、ステップを目で追っていくだけで、東南アジア料理独特の香りに包まれているような錯覚に陥り、食欲がそそられてしまう。バナナの葉で包んで焼き上がったレンパーは、一口サイズに切って自家製のパンダンカヤを添えて、来客に食べていただこう。私は、次の持ち寄りパーティーにこれを作って持っていくことにしよう。そして、自分でもこれを口にしながら、パーティーの出席者にラベンダーさんとの出会いなどを話すことになるに違いない。ラベンダーさん、素敵な出会いを、そして、レシピをありがとう!

一口サイズに切ったレンパーに自家製のパンダンカヤを塗って召し上がれ!

一口サイズに切ったレンパーに自家製のパンダンカヤを塗って召し上がれ!


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