海外でシャンプー研究:髪を美しく保つために
シャンプー研究に至るまでの歩み
子供の頃から髪を触ることが大好きで、いつも人形の髪の毛で遊んでいたのを覚えています。当時からファッションや美容にもとても興味があり、中学生の頃には美容師になることを決心し、高校卒業後に美容専門学校へ進学、そして美容師としてのキャリアをスタートさせました。
ヘアサロンではヘアカットをはじめ、撮影、メイクアップ、着付の仕方まで幅広く学ぶことができました。このような自分の感性と技術を融合させる仕事は、私にとってとてもやりがいがあり、またお客様の魅力を引き出すことで皆さんに喜んで頂けることは私の喜びでもありました。駆け出しの美容師はいわば修行の身になります。当時を振り返れば精神的、体力的にも大変な仕事でした。ですが、20代のときに美容師としてのスキルを磨き、日々成長を実感できる充実した時間を過ごせたと思っています。
転機とシャンプー研究の始まり
そんなある時、人生の大きな転機が訪れました。主人との出会い、そして国際結婚を機に、私はメリーランド州へと移住。新しい環境での生活が始まると同時に、私のシャンプー探しの旅が始まります。
海外に住んだ経験がある方であれば、「海外のシャンプーはどうなっているのか?日本と比べて、シャンプーはどこがどう違うんだろう?安全なのだろうか?」などの疑問を感じた方も少なくないのではないでしょうか?アメリカに来た当初、私自身もこれまで経験したことのない髪のパサつき、細毛、うねり、頭皮の湿疹などの頭皮と髪のトラブルに直面しました。年齢による髪の変化や環境の変化もひとつの原因だったのでしょうか?または、海外のシャンプーを使ったからかもしれません。そして、この問題がきっかけとなって、自分に合うシャンプーを探し始めたのですが、髪のプロである美容師でありながら、自分に合うシャンプーを見つけることが実はとても難しいことに気がつきました。どれだけ違ったシャンプーを試しても、その良し悪しがはっきりと理解できませんでした。そこで、シャンプーの成分や配合に興味を持ち始め、最初はとりあえず成分を読んでみようと、英語で長く綴られた化学成分をひとつひとつ読み解くことから始めてみたのです。それが私のシャンプー研究のスタートとなりました。
シャンプーの追求
英語で書かれた成分をひとつひとつ読み解く日々。「本当に答えは見つかるのだろうか?」という不安が頭をよぎることもありました。読んでも読んでも新しい化学物質の名前が次々と出てくるのです。
実際に、日々新しい化学物質が開発され続けているのも事実です。どうすれば私の疑問を解決できるのか?皮膚科学、ヘアケア、化粧品の本を読み漁り、また様々な講習にも参加したりしましたが、それでも納得のいく答えは見つかりませんでした。そこで私は、実際にシャンプーを作ってみることで、もっと深く理解できるのではないかと考えたのです。シャンプーの作り方を学び、混ぜ合わせて実際に体感しながら研究を進めていくことにしたのです。このように自分なりに研究を進める中で、試行錯誤を繰り返しながら少しずつシャンプーの世界の本質が見えてきたのです。
シャンプーの役割とリスク
シャンプーは、髪と頭皮を同時に洗うということです。”洗う”ということは少なからずともリスクが伴うということも知っておかなければいけません。もちろん頭皮を清潔に保つことはとても重要なことですが、”頭皮は生きた細胞から、髪の毛は死滅細胞から”成り立っています。これらはまったく異なる性質を持っているため、同時に両方を洗うことは技術的にも難しいという課題があります。頭皮の健康を保ちながら髪の毛を効果的にケアするのは、理論的にもハードルが高いとも言えるのです。私たちにとって今やシャンプーは必要不可欠なものですが、いいシャンプーを使用するだけで自動的に髪が綺麗になるとは考えてはいけないということです。広告などで「サラサラになる」、「ツヤツヤになる」といった表現が使われることで、多くの人がシャンプーを使用することで髪が綺麗になると誤解することがありますが、あくまでもシャンプーは洗浄剤だということも知っておかなかればなりません。
良いシャンプーとは
多くの女性がいいシャンプーを探し求めていると思います。また、「本当にこのシャンプーでいいのかな」と疑問を感じながら使用している方も多いのではないでしょうか?そこで私が考える良いシャンプーの条件をお伝えします。まず1つ目は、成分が厳選されているかどうかです。シャンプーに含まれる成分は非常に重要で、頭皮に優しい成分が使われているか、必要以上の成分が配合されていないか、確認することが大切です。皮膚が丈夫な人はどんなシャンプーを使っても頭皮にすぐにトラブルが現れることはないでしょう。しかし、5年後10年後の頭皮と髪がどのように変化するかはわかりません。また、刺激が強いシャンプーを使い続けることで、その蓄積が薄毛、細毛、パサつきなどのトラブルをひきおこす可能性もあります。そのようなトラブルのリスクを減らすためにも、刺激の低い成分が厳選され、使われているものが良いシャンプーの条件のひとつだと考えています。
2つ目は、そのシャンプーが自分に合っているかどうかです。髪質や頭皮の状態は人それぞれ異なりますし、好みも様々です。例えば、しっとりとした仕上がりを好む人もいれば、さらっとした洗い上がりを好む人もいます。そのため、他人が勧めるシャンプーや高価なシャンプーだとしても必ずしも自分に合うとは限りません。自分の髪や頭皮に適しているかを実際に使用してみて確認することがとても大切です。持続して使っていけるものであれば、それは「自分の合ったシャンプー」とも言えるでしょう。
ということで、私のこれまでの研究から得た結論は、「良いシャンプー」とは頭皮の健康を第一に考え、また髪を適度に保護しながらシンプルに優しく洗えるものだと思っています。
最後に
もし私がアメリカに住むことがなければ、何も疑問に思わずにきっと今現在も日本で「良いシャンプー」、「自分に合った商品」を探し続けているかもしれせん。アメリカに住んだことで環境が変わり、また普段何気なく使っていたシャンプーの成分を自分で調べてみようというきっかけになりました。
シャンプーの研究はとても興味深くて、学べば学ぶほど奥が深く、知れば知るほど逆にシンプルでもあります。作り手側の研究も大切ですが、使う側も髪を大切に綺麗に保つために、シャンプーの役割を自分なりに理解しておくこともとても重要だと思います。
シャンプーの正しい選択を学ぶことは美しい髪を保つためのキーポイントとなるでしょう。実際に私も髪のトラブルから解放され、年齢を重ねた今でも以前よりも髪が綺麗になったと実感しています。このようにシャンプーの選び方や使い方を知ることで、いつまでも美しい髪を維持することができます。これからも、自分なりに研究を重ね、皆さんの髪のお悩みが解決できるような役に立つ情報をお届けしていきたいと思っています。
ホリステックヘアケア専門家。40代以降の女性のための、心と体そして髪も喜ぶホリステックヘアケアの情報を発信しています。(エイジング毛・白髪染め・シャンプー・頭皮ケアなど) オーガニックコスメ・ナチュラルシャンプーフォーミュレーション・シャンプーソムリエの認定資格取得。インスタグラムはこちら@rieholistichair