ソーシャルメディア(SNS)との付き合い方ーー悩みつつ共存
Facebookなどの利用が広がり始めて20年余りが経過し、ソーシャルメディア(ソーシャルネットワーキングサイト、SNS)は世界で数十億人が使うものに成長しました。簡単に家族・友人や、共通の趣味を持つ人たちとつながれる一方、いじめや犯罪の温床になることもあり、使い過ぎ・依存の懸念も指摘されています。VIEWSでは2026年夏、どのようにソーシャルメディア(SNS)を利用しているのか、同メディアの優れている点や心配なことなどについてのアンケートを企画し、読者の皆様などから回答をいただきました。
回答者の居住地はアメリカが最も多く、続いて日本、日米両国以外はフランス、ヨルダン、カナダなどでした。年齢別ですと30代~70代の人からの回答があり、最も多かったのは60代でした。回答者のうち、ソーシャルメディア(SNS)を使っているのは約8割で、動画や投稿を見るものの、アカウントは持っていない人たちも含めるとほぼ全員となっています。「使っていない」場合、使わない理由として選択肢の中からあげられたのは「興味がない」、「プライバシーを大事にしたい」などでした。
どのソーシャルメディア(SNS)を使うか:英国の調査と比較してわかる年代による差
使っているメディアについての結果をまとめたのがこちらの図です。VIEWS読者がよく使っているのはInstagramとYouTubeのようです。最近発表された英国での研究では、中学生の間で最も人気があるSNSはSnapchat(77%が利用)、TikTok(77%)、Instagram(42%)などで、FacebookとXの利用は20%程度でした。国が異なるので一概には言えませんが、若者とシニア世代でははっきりしたプラットフォームの住み分けがあるようです。若者に人気のSnapchatとTiktokは、VIEWSアンケート調査では使っている人がほとんどいませんでした。
ソーシャルメディア(SNS)の利点
ソーシャルメディア(SNS)でできることとして、最も多くあげられたのが、「遠く離れている、または交流が途絶えた友人・知人・家族の様子を知ることができたり、連絡を取ることができること」です。「Instagram で自ら投稿はしないが、家族や友人がアップした写真やストーリーズを見られて楽しい」(ヨーロッパ在住女性)というように、自分は投稿しなくても、家族・友人の様子を知るのを楽しみにしている方も多いのでは。今回の特集号に掲載したマックヘールさんの寄稿にもある通り、思いがけず旧友と再会できるのも、SNSならではです。このほか、「主として仕事上の販促活動・情報収集に利用している」、「着付けの仕事をしています。最近の新規の問い合わせはSNSからいただくことが多いです」ーーという回答もありました。
人工知能(AI)の発達で高まるリスク
時間と空間の制約を超えてつながることができるソーシャルメディアだからこその、フェイクや詐欺には注意が必要になります。「”なりすまし”らしき人からFacebookフレンドリクエストがよくあるが、断っている」(アメリカ在住70代)というような経験はSNSを使っていれば誰でもあるのではないでしょうか。「ソーシャルメディアは情報交換で役に立ちますが、気を付けないと詐欺がいるので、油断できません。ほどほどに使うことがいいですね」(アメリカ在住70代)という指摘もありました。
同時に、最近は人工知能(AI)が発達し、ますます精巧なフェイクが出回るようにもなっています。アンケートでは、
「AI がフェイク動画、ニュースを 増やしているので。 それを信じてしまう人達がいるのが心配であり、 これからの課題だと思う」
「AIが普及して、実在の人物かどうかわりにくいので、見知らぬ人と繋がるのは危険になりました。ネットワークをひろげたい人には、難しい時代になりましたね」
「情報はしっかり裏付けをとってから信じたほうが良いと思う。それらしい偽情報も多々あり。特にAIを使った情報には注意が必要」など、AIの悪用を懸念する声が多く上がりました。
賢い付き合い方――大人として、親として
前述した英国での研究では、中学生のSNS利用時間は一日当たり3.36時間(中央値)で、本来は利用できないはずの12歳の子どもたちも2.64時間使っていました。12-15歳全体では、最も多く使っている子どもたち(利用時間によって4グループに分けたうちで最も長いグループ)は一日に約5時間も使っていることがわかりました。
VIEWSのアンケートでも、若者や未成年のSNS利用に対する懸念が強いことがうかがえました。「未成年者のソーシャルメディア(SNS)使用は規制(禁止、年齢制限、親の許可など)すべきだと思う」かどうかという質問に対する回答は3分の2が肯定的でした。「そもそも高額なスマホを持つこと(親が買い与える?)を疑問に思います。ソーシャルメディアは、成人して/自分で稼いだお金で始めるべき」(カナダ在住)という声もありました。
アメリカから日本に帰国した50代女性からは、以下のような回答をいただきました。
「特に若い世代は生まれた時からSNSとの接点が当たり前にある環境で育っていますが、限られた人生の多くをSNSに費やす事のない様、私自身も子供達のSNSとの付き合い方を注意して見守ってきました。昔の話をすると若い人には煙たがられるご時世ではありますが、ふと自分が育ったスマホのない時代をとても懐かしく思い出す事があります。SNSの出現で情報収集面では遥かに便利になりましたが、常に溢れる夥しい情報の波に呑まれ、他人との比較に苛まれ、人間としての幸福度が昔と比べて上がった様には思えないのですよね」
若者に限らず、VIEWSアンケート(↑)を見ても、SNSに時間を取られ過ぎると感じている方が多いようです。「うまく使えば役に立つ」、「使う側がどう利用するか」――。アンケートの回答にあった言葉が、ソーシャルメディア(SNS)との賢い付き合い方を簡潔に表現しているように思います。オンライン季刊誌VIEWSではこれからも、SNSを使ってよかったこと、悪かったことなどを記事として取り上げていきます。






