バレンシア風パエリア
スペイン・バルセロナの料理教室で習ったバレンシア風パエリア
スペインのバルセロナを訪れた時に小さなバル(BAR)で味わったチキンスープ。生まれ育った九州で馴染んだ鶏の水炊き鍋スープの味とそっくりでした。何を食べても美味しかったスペイン料理、特にパエリアはどのお店のものも美味しく毎日のように食べ歩いていました。
今回はバルセロナの料理教室で習ったその深い味わいの鶏スープで炊き上げたバレンシアの郷土料理パエリアを紹介します。サフランさえ手に入れば家にある材料でいつでも簡単に作れます。今回のパエリアは鶏肉と野菜の出汁のみで作るので、オーガニックやケージフリー(地鶏)など良質の鶏肉を使うのがおすすめです。海老やアサリ、イカなどを加えれば豪華なパエリアにもなります。お米はスパニッシュ米、リゾット米、日本米どれでもでき、フライパンや浅めの鍋で作れます。スペインのパエリアのお米はアルデンテでおこげができるのが特徴ですが、炊き上がりはスープの量でお好みの固さに調節できます。
材料(4人分)
- ぶつ切り鶏もも肉(骨付き又は骨なし) 300g
- 完熟トマト 中1個
- さやいんげん 100g
- 赤ピーマン又は赤パプリカ 150g
- 玉ねぎ 100g
- にんにく 1片
- スパニッシュ米 320g (洗わない)
- チキンスープ 1リットル
- 赤ワイン 50cc
- サフラン 15本位、約0.1g
- オリーブオイル 適量
- 塩 適量
- パプリカ 少々
- レモン 適量
作り方
- 鶏肉はぶつ切り。赤ピーマンはへたと種を除き、半分の量は細長く切り、半分は小さくカットする。さやいんげんは筋を取り除き、半分は2.5cmくらいの長さに手でちぎり、半分は小さくカットする。玉ねぎとにんにくは粗めのみじん切り。
- 完熟トマトはおろし器ですりおろす。トマトは横に半月に切って手のひらで押さえながらすり下ろすと、あっという間にすれてやりやすいのに加え、 使わない皮の部分だけが最後に残る。
- 別の深鍋でチキンスープを温め、サフランを加え香りをスープに抽出する。
- パエリア鍋にオリーブオイルを入れ、やや強めの中火で熱し、細長く切った赤ピーマンとちぎったさやいんげんを軽く炒め、鍋から取り出す。鶏肉は皮目の方から炒めこんがりと焼き色がついたら裏返し、同じように焼き目をつける。焼き色がついたら塩を少々ふり加える。
- 火をやや弱めの中火にして鶏肉をパエリア鍋の端に移し、鍋の中央で小さく切ったいんげん、赤ピーマン、玉ねぎ、にんにくを炒める。玉ねぎがしっとり茶色に色付いたら、おろしたトマトと赤ワインを加え、水分を飛ばしながら更に炒める。
- 野菜から出た水分がしっかり飛んだらパプリカを加え、温めたチキンスープを加える。
- 火を強めスープが沸騰したらお米を加え具を均一にして、ここからはあまり混ぜない。味をみて塩で味を調える。
- 約7分強めの中火で炊いたら、火を弱め、鍋の水分がなくなるまで更に8分炊く。
- 鍋の水分がなくなったら、鍋底の米をクリスピーにするため、最後に数十秒火を強めオリーブオイルを加える。鍋からチリチリという音が聞こえ香ばしい香りがしてきたら火を止め、布ふきんをかぶせ、5分程蒸らしたらレモンを添え出来上がり。
ポイント
- 鍋についた鶏の焼き色は良い出汁になるのでそのままに。
- 炒めながら野菜の水分を良く飛ばす。
- 水分の量が多めに感じるかもしれませんが、ふたをせずに炊き上げるので水分は火加減で調節する。
- お米の量に対し、鍋や火口が小さすぎると均一の固さに炊けないので、小さい場合は少なめの量で作る。
- スープは固形や顆粒のチキンスープでも美味しくできますが、調味料の入っていない缶やパック詰のチキンストックを使うと本格的な味になり、冷えても美味しく頂ける。
- 鍋に米をいれたら、混ぜすぎないこと。混ぜすぎると米が割れて食感が悪くなる。もし火口が小さい場合は、水分が残っている間に、軽くであれば混ぜてもよい。
福岡在住。アメリカ在住歴27年、国学院大学卒業。ロサンジェルスの邦銀に勤務後、ニューヨークに移り飲食業のマネージャーを10年務める。その後、イタリア、パルマのAlma International School of Italian Cuisine にて本格的なイタリア料理を学ぶ。移民の国アメリカで出会った様々な国のおいしい料理を再現するのが得意。