チリの家庭で食べるサラダたち
チリのサンティアゴを去ってから、はや20年以上の年月が経ちました。懐かしいチリの風景を思い出しながら、今回は、家庭で日常的に食べるチリの簡単サラダをご紹介します。今でも、我が家の定番サラダです。
実は以前、二人の息子が「お母さんの料理の中で何が一番好き?」と聞かれた時に、「サラダ」と答えているのを聞いて驚いたことがあります。それを聞いた人たちも意外な答えに「へえ?どんなサラダなの?」と興味津々でした。ただ、正直、それは色々な季節の野菜に、オリーブオイル、柑橘果汁、塩だけで味付けしたごく普通のサラダで、その時、恥ずかしくて、なんだか穴があったら入りたい気持ちになったのを覚えています。
それから、私のサラダ伝説は勝手に一人歩きをして、姉にコツを教えてとせがまれましたが、本当に何のコツもないのです。今回も、こんな普通のレシピで本当にいいんだろうかと恐縮しています。肉も魚も野菜も果物も美味しいチリでは、とにかく塩で味付けしただけの魚・肉をグリルするシンプルな料理に、サラダを添えて食べるのが定番です。
1. チリのサラダ Ensalada Chilena
材料(4人分)
- トマト 中3個
- 玉ねぎ 半個
- オリーブオイル 適量
- 塩 ひとつまみ
作り方
- トマトを半分にして、1センチぐらいに切る。
- 玉ねぎを薄くスライスする。(新玉ネギでなかったら、水にさらしたり、塩と砂糖で、少し揉んで、辛みをとる)
- お皿に トマトを入れて、玉ねぎをのせて、オリーブオイルをかけて、塩を振って、混ぜる。
調味はオリーブオイルと塩だけとシンプルですが、間違いなくおいしいサラダです。味付けは、気持ち強めがオススメ。チリでは、トマトの入ったサラダにレモン果汁を入れない、という人が多いので、なぜだろうと不思議に感じたことがありました。多分、トマトの酸味を楽しむためだろうと勝手に想像、理解しています。
肉・魚だけでなく、何にでも合うサラダ。パンにのせても美味しいです。トマトと同じ夏に取れるコーンをつぶして、蒸したウミータという料理にもよく合います。
2. セロリとアボカドのサラダ Ensalada de Apio y Palta
材料(4人分)
- セロリ 太めの茎3本
- アボカド 1個
- オリーブオイル 適量
- 柑橘類果汁 レモン 半個分
- 塩 ひとつまみ
作り方
- セロリのスジを取って、6センチぐらいの長さに切る
- その両端に切れ目を入れて、両側がカールするまで冷水の中に入れる (写真)
- ザルに上げて水気を切る
- アボカドを切って、セロリと混ぜる
- オリーブオイルと柑橘果汁と塩で味を整える
セロリのカールした部分に、アボカドがからんで、ただ切っただけのセロリより味に深みがあり、美味しさがアップする気がします。
3. カリフラワーとほうれん草のサラダ Ensalada de Coliflor y Espinacas
材料(4人分)
- カリフラワー 半個
- ほうれん草 3株(あるいはサラダ用ほうれん草)
- オリーブオイル 適量
- 柑橘類果汁 レモン半個分
- 塩 少々
作り方
- カリフラワーを薄くスライスする
- ほうれん草は食べやすい長さ(1−2センチぐらい)に切る
- カリフラワーとほうれん草を混ぜて、オリーブオイルをかけて、柑橘類を絞って、塩で味を整える。
姉に「カリフラワーが出来すぎて沢山あるけど、天ぷらとか茹でる料理の他に何かおいしいレシピはない?」と聞かれ、チリでよく食べていたサラダを紹介したところ、結構好評でした。コリコリした生のカリフラワーの食感と、カリフラワーの白とほうれん草の濃い緑色のコントラストが美しいサラダ。
ここまで、お肉や魚と一緒に食べるとおいしい野菜だけのサラダを紹介しましたが、最後に、生の魚介類を入れた「セビーチェ」と呼ばれる一品をご紹介します。
4.セビーチェ Ceviche
材料(4人分)
- 生食用の魚貝類お好みで(魚は白身の方がよい)400g
- 玉ねぎ 半個
- パプリカ 赤・黄 半個ずつ
- 青唐辛子(お好み)
- パクチー 少々
- オリーブオイル 適量
- レモン果汁 2個分
- 塩 少々
作り方
- 刺身用の魚介類を食べやすい大きさに切る
- 玉ねぎをみじん切りか薄くスライスにして、魚介類と混ぜて、レモン果汁を絞って入れ、塩を入れて混ぜる
- パプリカを1センチ角に切る
- パクチー、青唐辛を細かく切る
- 野菜類と魚介類を一緒にして、オリーブオイルかけて、混ぜ合わせて、塩、レモン汁で、味を整える
新鮮な生の魚貝類を使ったセビーチェは、日本人好みの前菜の一つ。魚の身が真っ白になる程、たくさんのレモン汁をいれて、魚介類の癖を消します。チリでは、マーチャス (Machas)と呼ばれるほっき貝もよく入れます。
今年の猛暑は、サッパリとしたサラダで体をいたわり、乗り切ってください。
1985年にチリ人と結婚を機にチリで暮らす。その後、日本、チリ、韓国に、主人の仕事で移動することになり、2007年から、韓国のインターナショナルスクールの日本語教師として勤務している。趣味は美味しいものを食べ歩いたり、おもしろい雑貨を探すこと。