海岸近く住まいならではの家庭料理 シラス丼
いろいろな町で暮らしてきた私の多分、最後、終の住まいは神奈川県逗子市です。ここで私は生まれて初めて海の近くに住むことになりました。住んでうれしいことは、新鮮な魚が食べられることです。近くにある小坪港には、時期になるとシラスがたくさん入ります。朝のうちに小さな魚市場に行くと、パックいっぱいの釜揚げシラスを安く買うことが出来ます。12月までは生シラスもありますが、とりたての釜揚げシラスが抜群――。ここの市場では1パックにたっぷり入って、500円ぐらいです。朝早くに買いに行かなければすぐ売り切れになります。
シラス丼はどんぶりに炊き立てのご飯を盛り、その上にたくさんシラスをのせるだけ。これを料理と呼んでいいのかは、疑問ですが‥‥。ネギ、三つ葉、カイワレ大根などをのせて、おろし生姜とお醤油をかけたい人はかけて下さい。あとはわかめたっぷりのお汁と、湯豆腐でもあれば立派な食事になります。生シラスもいいですが、釜揚げシラスは食べやすくて、塩気も適当にあって、おいしいことこの上なし。元はといえば漁師さんたちが食べていた料理なのだそうです。
こちらは小坪漁港の裏手にあるイタリア料理店「自由人処(じゆうじんどころ)」のシラスピザです。薄皮のピザの上に、とろけるチーズとシラスとオリーブをのせただけ。シラスの薄い塩味と海の香りが、とても上品で、おいしい。シラスは、1月から3月末まで禁漁なので、その間は12月以前に採れた釜揚げシラスの冷凍を使うそうです。
このレストランのシェフは若いとき(今でも若いと思いますが)、国際放浪人だったようで、お店の名前のように、自由人です。お店の宣伝はしていないので、知る人ぞ知る。シェフが事故で腰を痛めてしばらくお休みでしたが、最近復活。またシラスピザをいただけるのが楽しみです。
アジア都市コミュニティー研究センター(UCRCA: http://www.ucrca.org) 代表。日本女子大卒、東京大学大学院修了、工学博士。1級建築士。元関西学院大学大学院大阪大学公共政策大学院教授。元アーバン・インスティテュート、 リサーチアソシエート。WJWN設立、Japanese Americans’ Care Fund設立。政策産業、政策研究・分析評価の振興をめざす。