イカ墨ごはん(Arroz Negro)とアリオリソース(Alioli)

今年のバカンスは、バルセロナを首都とするカタルーニャ地方のコスタブラバで過ごしました。地中海の真っ青な海と豊富な魚介料理。リラックスしながら地元料理を堪能しました。

漁師村の面影を残すカレーリャデパラフルゲル

漁師村の面影を残すカレーリャデパラフルゲル

スペインのお米料理

チキンと魚介のパエリアミクスタ

チキンと魚介のパエリアミクスタ

カタルーニャ地方は、米の産地、そして、パエリヤの発祥の地として知られるバレンシア地方のすぐ北に位置し、こちらもお米の栽培が盛んな地域です。多くのレストランでお米料理がメニューにのぼり、米はカタルーニャの人気食材であることがうかがえます。

豊富な魚介を使ったいろいろなお料理は日本人の舌にとてもあい、日本でもスペイン料理のお店が増えてきました。特にお米料理は日本人にも大人気。魚介のパエリヤは今や知らない人がいないほど有名になったスペイン料理の一つでしょう。

お米料理にもいろいろあり、パエリアはバレンシア地方の郷土料理でパエリア鍋でドライに仕上がるように調理したもの。他の地方のお米料理は、なになにごはん(Arroz アロッス)と呼ばれ、お鍋やフライパンなどで作るためパエリアより少し水分があり、しっとりと仕上がります。

スペインで食べられるお米は、日本のお米のように丸いタイプのジャポニカ米が大部分で、細長いインディカ米も多く栽培されてはいますが、こちらは輸出用がほとんどです。

アリオリとマヨネーズ

そして、イカ墨ごはんにアリオリは定番の組み合わせです。

アリオリ (Alioli, カタルーニャ語で allioli, スペイン語では ajo y aceite) とは、にんにくとオイルという意味で、その名の通り、つぶしたニンニクにオリーブオイルを加えながら混ぜ合わせて作ったソースです。

アリオリの起源はローマ時代までさかのぼり、オリーブの採れるエジプト、イタリア、スペインの地中海沿岸でオリーブオイルを使ってこのソースが作られていたといわれています。

アリオリは、マヨネーズににんにくを加えたものといわれることが多いのですが、今日作られるアリオリには、クリーミーさを出すために卵を加えてあるものが多く、そういわれるのも納得がいきます。

そして、このマヨネーズも起源はスペインといわれています。なぜなら、スペインのバレアレス諸島にあるメノルカ島のマオンで作られていたソースが由来とされているからです。

18世紀中頃、七年戦争で、当時イギリスに占領されていたメノルカ島に攻撃をかけていたフランス軍のリシュルー公がマオンの飯屋で出された肉にかけられたソースをとても気に入り、パリに持ち帰ったものがマヨネーズとして今では世界中で知られることとなったようです。

スペインのマヨネーズはマヨネッサ(mayonesa)とよばれ、全卵にオリーブオイルと塩、ホワイト・ワインビネガーまたは、レモン汁を入れて作り、日本のマヨネーズより、酸味が少なく、コクがあります。

今回は、スペインで人気のイカ墨ごはん(Arroz Negro, 直訳で黒いごはん)、アリオリソース添えをご紹介したいと思います。

メノルカ島、マオン

メノルカ島、マオン

Arroz negro、イカ墨ごはん

イカ墨ごはん(Arroz Negra)

イカ墨ごはん(Arroz Negra)

材料

イカ墨ごはん

  • イカ  600g 3バイ 
    ※スペインではこの料理には紋甲イカが好まれる。
  • 玉ねぎ 1個
  • 水煮トマトのピューレ 1/2缶 
    ※ホールトマト、カットトマトをブレンダーにかけてもよい。
  • ニンニク 3片
  • イカ墨 24g ※市販のイカ墨でもよい。
  • 米 3カップ  
    ※日本のお米でよい。無洗米は避ける。
  • フィッシュブイヨン 1000 ml-1200 ml
  • オリーブオイル 大さじ4 プラス 大さじ2
  • ローリエ 3枚

<アリオリソース>

  • ピュアオリーブオイル 200ml
    ※エキストラバージンオリーブオイルで作ると味が強すぎ、苦味が出る場合がある。
  • 卵Lサイズ 1個
  • 白ワインビネガー 小さじ1
  • 塩 小さじ⅛
  • ニンニク 小1片

作り方

  1. フライパンにオイル大さじ4を熱し、ニンニクのみじん切り、玉ねぎのみじん切りを弱火でよく炒める。
  2. トマトのピューレ、ローリエも加え、水分がとんでペースト状になるまで炒める。その後、一口大に切ったイカも加え少し炒める。
  3. 米(洗わないで)とオイル大さじ2も加え、よくオイルとなじませるように炒める。
  4. イカスミを、分量内のブイヨンで溶いたものとブイヨンの半量を加え、混ぜながら水分がなくなってきたら、少しずつ熱いブイヨンを足していく。(アルデンテで火を止めて蒸らすとよい。)
  5. 最後に塩で味を整える。
  6. アリオリソースの材料をすべてハンドブレンダー付属の細い筒にいれて、ブレンダーで混ぜ合わせる。
  7. 6 のアリオリをできたごはんにかけていただく。


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