バターナットかぼちゃ(Butternut Squash)
秋も深まりDC近郊では10月31日のハロウィーン、続いて11月末の感謝祭(Thanksgiving)を控え、色とりどり、形も様々なかぼちゃが所せましとスーパーに並ぶようになった。そのうちのひとつ、“バターナット”かぼちゃを今回初めて料理してみた。私が日本にいた頃は全く見たことがなかったかぼちゃだ。
ズッキーニの苗?
6月半ば頃、ズッキーニだといわれてもらった苗を4本、孫と一緒に我が家の裏庭に植えた。苗は順調にすくすくと育っていった。6月末から7月にかけて家を2週間ほど留守にした。帰ってくるなりその足で畑を見に行くと、あらまあ、あらまあ、苗は鮮やかな緑の葉っぱとともに猛烈な勢いでお隣さんの庭まで長いつるを伸ばしていた。うれしいことに黄色い花をいくつかつけて。もうすぐズッキーニが食べられるとわくわくした。ところが、2,3週間後、つるにぶら下がっている大小の実はスリムなズッキーニとは違い、皆ひょうたん型をしているではないか。まさか、 “瓢箪” ?
バターナットかぼちゃ
8月に入り、大きなものは20㎝以上に成長した。形は瓢箪、でも、瓢箪のような腰のくびれはなく、どちらかというと寸胴。この頃には、もらった苗はズッキーニではなくバターナットかぼちゃだということが分かった。土が良かったのか日当たりが良かったのか豊作だった。一番大きなかぼちゃの成長が止まったようなので、これ、収穫時とまだ薄緑色のかぼちゃをさっさと刈入れた。そして、大きく美しく成長したかぼちゃを誰かに見てもらいたく、自分で毒見をする前に、「これ、うちで採れた初物」と、たまたまランチを一緒にした友人に差し上げた。「わあ、オーガニックですか。うれしいなぁ。今週末のバーべーキューの時にいただきます」と彼は喜んでくれた。
収穫しておすそ分け
その後も次々と大きくなったかぼちゃを向こう三軒両隣に「無農薬、百パーセント有機栽培!」と言って配りまわった。この頃にはかぼちゃの皮は薄緑からベージュに色づいていた。更に職場にも持っていき、フランス人の同僚と西アフリカはトーゴ出身の同僚に押し付けた。フランス人の同僚は夕食のおかずにすると喜び、彼女のレシピをくれた。片や、トーゴ出身の同僚は「あなた、これ、食べ頃?」と聞いた。「えっ、食べ頃?」そんなものがあったのか。その夜仕事から帰ると、早速日本のグーグルで「かぼちゃの収穫時」を検索した。「見分け方」「追熟」などが出てきた。ありゃ~、一番最初に薄緑のかぼちゃをあげた彼のことが頭に浮かんだ。ご無事だっただろうか。この、拙稿が公開される前に連絡してみなければ…
バターナットかぼちゃと芽キャベツのロースト
ここでご紹介するのは、上記フランス人の同僚がくれたレシピを元に私流に多少手をくわえたバターナットかぼちゃと芽キャベツの一品だ。かぼちゃはローストすることで水分が飛び、油と相まって甘味が増し、芽キャベツはパンチェッタのうま味とともに、こんなに美味しかったっけと舌を疑うほどのお味に変身。しかも、簡単で栄養満点(?)。感謝祭のサイド・ディッシュにもなる。出来立ての熱々をバルサミコ酢を振りかけていただくとこれだけでも、充分な一品になる上、フランスパンと赤ワインがあれば更に美味しい。是非、お試しあれ。
材料
- バターナットかぼちゃ - 大きめのを1個
- 芽キャベツ適量 - 大きいのは半分に切る
- パンチェッタ(pancetta)*ー 適宜 (オリーブオイルだけでも良い)
- オリーブオイル
- 塩・胡椒
- バルサミコ酢 - お好みで
*豚バラ肉を塩漬けにし、乾燥・熟成させたもの。生ベーコンとも呼ばれる。
作り方
- かぼちゃは皮をむき1口大に切る。
- かぼちゃ、芽キャベツ、パンチェッタを混ぜ合わせ、塩・胡椒をする(パンチェッタの塩分があるので、塩は控えめに)。
- オリーブオイルをまんべんなく振りかけ良く混ぜ合わせる。
- 耐熱容器に移し、華氏300°F~350°Fに暖めたオーブンに入れる。
- およそ30分~40分で材料に火が通っていればできあがり。
一番の難点はかぼちゃの皮むきにあるかもしれない。手間と時間を節約したい方はサイコロ型に切ったパック入りがスーパーの棚に並んでいる。
在米34年、バージニア州在住。最近の趣味は5歳の孫と習うピアノ。