わたしとマヤセラピー

ロジータ(右 Dr. Rosita Arvigo)と私

ロジータ(右 Dr. Rosita Arvigo)と私

ヴァージニア州でメディカル系のマッサージ・セラピストをしています。現在NPOにも登録して病院などへ派遣されています。整体、スウェディッシュ・マッサージ(Swedish Massage)、手足のツボをマッサージするリフレクソロジー(Reflexology)、筋肉組織に深く働きかけるディープティシュー・マッサージ (Deep Tissue Massage)と、何でもこなしてきたマッサージ・セラピーの幕の内弁当のような私。現在は、癌療法のオンコロジー・セラピー、緩和ケア、婦人科系のセラピーを中心に活動してしています。

今回は、現代医療の現場サポートとして「マヤセラピー」を役立てられるように、と独自のアービゴ式腹部マヤ・セラピー(正式名:Arvigo Techniques of Maya Abdominal Therapy)を確立したアメリカ人医師Dr. Rosita Arvigo(以下、Dr. Arvigo)との出会い、師から中米の国べリーズで同セラピーを習うに至った経緯、そしてワシントンに戻って気づいたことなどを織り交ぜご紹介いたします。

あやしくないよ

マヤセラピーの「マヤ (Maya)」とはなんぞや?とハテナマークがチラホラ見えますが、それは中南米で栄えた古代マヤ文明のことです。

古代マヤ文明ではシャーマンが何やら魔法をかけたり、お祈りや霊能力で病気を治したり予言したりというイメージがありますよね。しかしご安心ください!アービゴ式はシャーマンの叡智を受け継いだセラピーではありますが、スピリチュアルな部分は心の奥底に大事にしまってありますので、施術中にあやしさを感じることはありません。お子様からお年を召した方まで、どなたでも安心して気持ちよく受けていただけます。Dr. Arvigoは、マヤ伝統のヒーリングの極意を現代医療の現場で役立てられるようにと、アービゴ式マヤセラピーを確立したのです。そのアービゴ式マヤ・セラピーには、お腹と腰臀部のやさしいマッサージ・セラピー、薬草を使ったセラピー、あとはお悩みに合わせたセルフケアの方法などがありますが、まず、マヤ伝統のヒーリングの大家で、Dr.Arvigo の師でもある伝説のシャーマン Don Elijioの存在無くして、アービゴ式マヤ・セラピーは語れません。

伝説のシャーマン Don Elijioと Dr. Rosita Arvigo

偉大なるシャーマン Don Elijio Panti

偉大なるシャーマン Don Elijio Panti

Don Elijioは、年間に3000人から5000人もの患者のケアをしていたという、中米ベリーズの伝説のシャーマンです。彼は103歳で大往生するまで精力的に活動し、大勢の人々を救いました。その功績を称えて名づけられた国立公園もあります。ベリーズ近代史に残るそれはもう偉大なるシャーマンなのです。

彼にまつわる不思議な話もたくさん残されています。ベリーズでは夜間に現れるジャガーは彼の化身だと信じられており、夜に遭遇したジャガーは殺してはいけないという法律がつい最近までありました。「めったにジャガーに出くわすことはないけれど、夜中に出会ってしまったら…と考えると、これは厳しい法律だった~」と地元の声。また、彼はこの世とあの世を自由に行き来できるらしく、今のメインの住処はあの世だけど、時々この世に戻り、人々を助けにくると信じられています。余談ではありますが、マヤ遺跡のあるエリアは、この世とあの世の境界線が薄いとも言われています。

Don Elijioは文字の読み書きができませんでしたが、シャーマンとなるような選ばれし人々は驚異的な記憶力をもっていると言われ、世代から世代にマヤ文明のヒーリングの秘密が全て口伝で伝えられています。彼は数百種類におよぶ薬草と効能をすべて暗記していたそうです。書き留めずに覚えることが、記憶力を維持する秘訣だと言っていたそうです。

また、弟子をとらないことでも有名でした。Dr. Arvigo は再三に渡り、弟子入りの打診を繰り返しましたが、西洋人の Dr. Arvigoにマヤ文明の秘密を伝授することなどもっての他!と断り続けられていました。それでも、Dr. Arvigo はあきらめません。偉大なるシャーマンの知識と経験を後世に残さないのは世界の大きな損失だ!と説得を続けました。彼女はナタを持ち大きな籠を背負って、Don Elijio と一緒にジャングルに入り、薬効のある植物を採取しにいくという、非常にハードワークなボランティアを続けました。こうして信用を築き、老いたシャーマンとの友情を育んでいったのです。

そんな生活が数年続いたある日、とうとう弟子入りの許可をもらいました。生涯マヤの人々に尽くし恩恵をもたらす、ということが交換条件でした。それは1985年、Don Elijio 87歳、 Dr. Arvigo 44歳の時でした。

その当時、Don Elijio が住むベリーズは、都市開発の影響でジャングルの伐採が進んでいました。ジャングルはマヤ民族にとって食料を得る場所であり、薬草の宝庫。彼は Dr. Arvigo にマヤ文明の宝であるジャングルをどうにか保護して欲しいと願ったのです。彼が103歳の大往生を遂げたのち、Dr. Arvigo は地元の広大なジャングルを買取り保護区としました。そしてその敷地内に薬効のある植物を観察できるメディスン・トレイル(Medicine Trail)や施設をつくり、地元の人を雇用しています。Dr. Arvigo がガイドを務めるメディスン・トレイル・ツアーは学校の遠足などで人気があります。また、Dr. Arvigo は薬草やセラピーに関する本を何冊も出版しており、世界各地で講演しています。今でも Dr. Arvigo はベリーズに住み、アービゴ式で世界中の多くの人々を助けながらも、マヤ民族に尽くすというシャーマンとの約束を果たしているのです。

子宮のセラピー?

「えっ??子宮のセラピー?って何??」というのが最初の印象。

「アービゴ式は子宮によく効くので、勉強するといいよ。セラピストの需要は多いのだけど、できる人が少ないのよ」。

信用できる友人からそう勧められたのが最初の出会いでした。

子宮のセラピー。サポートできる諸症状の詳細については割愛しますが、いわゆる婦人科系のお悩みを幅広くサポートできるということなのです。アービゴ式を有名にしたのも不妊症のサポートです。それから消化器系や腰痛のお悩みを抱える患者さんもいらっしゃいます。

アービゴ式のワークショップは3日間のセルフケア・コースから始まります。このコースはどなたでも受講OK。テストなしのルンルン楽しいコースで、とても充実しています。わたしは子どもの頃から消化器系が弱いのが悩みで、あれこれ自分なりのケアをしていましたが、アービゴ式がわたしには合っていたようで、今までにない効果があり大感激。さらに、なるほど本当に子宮に効くんだと実感できたのは、次の専門家向けの研修を受講したときでした。

セルフケア・コースに続く第2段階と最終コース第3段階は医療従事者のみに公開されており、世界中から集まったクラスメートの中には、医師、看護師、鍼灸師、助産婦、マッサージ・セラピストなどいました。この専門家コースを受講した際、身体の浮腫みや膨満感の減少と共に、子宮がきれいになり、お肌もツルツル。その当時、人並にプレ更年期の悩みを抱えていましたが、自分がみるみると若返るような気持ちになりました。

そして、それがアービゴ式に惚れ込むきっかけともなりました。

ベリーズのジャングル生活

米国で第2段階までの学びを終えてアービゴ式に惚れ込んだ私は、Dr. Arvigo から直接教えを受けたくて、専門家向け上級コース(第3段階)を受講するため中米ベリーズに飛びました。宿泊を指定されたコテージはマヤ遺跡近くのジャングルにあり、毎日毎日鬱蒼としたジャングルを歩き、Dr. Arvigo の自宅で開催される研修を受けました。シャワーはお湯が出ればラッキー、電気は無しのガスランプ、インターネットはジャングルを抜けないと繋がらず、コンセントはカフェテリア(といっても、藁ぶき屋根のオープンスペース)にひとつだけというような環境での3週間。えーーっ!と眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれませんが、わたしは、とてもとても幸せでした。ちなみにキャンプ大好き人間というわけではありません。。。

Dr. Arvigo 宅への通学路、Medicine Trailから望む Macal River

Dr. Arvigo 宅への通学路、Medicine Trailから望む Macal River

新鮮なお野菜中心の食事、美味しい水と空気。夕日が沈むと床につき、夜明けと共に自然に目が覚める。目覚めはスッキリさわやか!エネルギー満タンの気持ちよさ。自分の感覚がみるみると研ぎ澄まされ、日に日に身も心も強くなってゆくのが分かりました。グループメンバーは、アメリカ、カナダ、イタリア、フランス、イギリス、イスラエル、オーストラリア、ニュージーランドなどから遠路遥々。国際色豊かなメンバーとの共同生活、楽しくも厳しいジャングル研修は、この素敵な仲間たちのおかげで、乗り越えられました。生涯かけがえのない思い出です。

マヤ文明の中でも古い時代の遺跡です。森林に囲まれているせいか、太陽の光があまり届きません。聖域感たっぷりの遺跡 Cahal Pech

マヤ文明の中でも古い時代の遺跡です。森林に囲まれているせいか、太陽の光があまり届きません。聖域感たっぷりの遺跡 Cahal Pech

グアテマラ国境近くの Xunantunich。 清々しい雰囲気が気持ち良い

グアテマラ国境近くの Xunantunich。 清々しい雰囲気が気持ち良い

ベリーズからワシントンへ

この研修を終えてから、ワシントンに戻りアメリカの風土に馴染むまで1か月以上以かかりました。

まず、今までは気にならなかった音、光、香りや肌感覚などに悩まされました。例えば、家の電気の光が眩しすぎてひどい頭痛や圧迫感を感じる。冷蔵庫やエアコンなど家電の音と家族の足音やしゃべり声が交じり合う不協和音に爆発寸前!大勢の人や車が動いた時の空気の流れや質感に惑わされたりなどなど。空気の質感ですよ!

家族は薄暗い家での生活を強いられ、小声でヒソヒソとしゃべり、足音を立てないようにそぉっと歩き、私をいたわり気遣ってくれたことには、とても感謝しています。

もしもドクターに相談したら、おそらくHighly Sensitive Personとの診断が下るのではないかと思います。しかし、ベリーズのジャングルで暮らすには、キーンな感覚は必要不可欠。うっそうとしたジャングルを懐中電灯ひとつで歩くには、感覚が研ぎ澄まされているということがプラスになります。夜道でタランチェラ(蜘蛛)やサソリを踏んでしまっては大変ですから。

同じ状態でもところ変われば、プラスとでたりマイナスとでたり。

おもしろいのは、ジャングルで自分の感覚が徐々にオープンになり研ぎ澄まされていくのは、とてもナチュラルで幸せなプロセスだったのに対して、その逆はとても辛かったということです。いったん開いたものを閉じる、研ぎ澄まされているものを無感覚にするというのは苦痛を伴うものなのですね。しかし開きっぱなしではもっと辛いので、一刻もはやくワシントン仕様にアジャストしたかったのですが、少々時間がかかりました。

終わりに

現代社会では、ある一部が「鈍感」でないと生きづらい傾向にあるかもしれませんが、あまりにも無感覚にしてしまうと、心の奥深くにある大事な気持ちに気づかなかったり、病気のサインを見逃して症状が悪化してしまうことがあるかもしれません。みなさん、覚えはありませんか?わたしは40代前半までは、ずいぶんと体調を崩したものです。その頃は少々敏感だと思われる体質には気づいておらず、知らず知らずのうちにダメージを受けていたのかもしれません。

まず自分を良く知り、その土地と自分に合ったバランスを見つけることが大切なんだということを、改めて身をもって学びなおしました。そしてもしも都会で暮らしている自分が「鈍感」であるということを前提とするのならば、たとえその必要性を感じなくても、自分に合ったセルフケアを定期的に行うことが重要です。将来にかかるかもしれない多くの病気や不快感な症状を未然に防ぐことができるのではと思います。

薬効のある草花でつくる聖なる水。マヤシャーマンの方法に基づき、私がつくりました。Spiritual cleansing plants

薬効のある草花でつくる聖なる水。マヤシャーマンの方法に基づき、私がつくりました。Spiritual cleansing plants

最後に古代マヤ文明の叡智をご紹介。

「大地は身体、水は血潮、空気は息吹、炎はスピリット」

この本当の意味が分かるのは、いつの日のことでしょうか。。。。

 

 

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