編集後記
段々と秋めいてきましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。今回は夫婦同姓問題について取り上げてみました。日本の最高裁判所は2021年6月23日、事実婚の男女3組が別姓での婚姻届を受理するように申し立てた件について、別姓を認めない民法などは憲法24条(婚姻の自由)に違反しないとの判決を下しました。また、岸田首相は所信表明に対する10月11日からの野党代表質問に対して、「選択的夫婦別氏(別姓)制度の導入については、国民の間に様々な意見があるところであり、引き続きしっかりと議論すべき問題であると思っております」と慎重な姿勢を示しました。一方、選択的夫婦別姓制度をめぐっては、早稲田大学教授と市民グループ「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が2020年11月に調査結果を発表していますが、「選択的夫婦別姓」について、「自分は別姓を選べるとよい」、「自分は同姓がよいが、他の夫婦はどちらでも構わない」 と答えた賛成の割合は合わせると7割以上だったとのことです。別姓制度導入が進まない中、仕事上は旧姓をそのまま使っていたりと女性の方ではすでに現実的な対応をしています。特集に寄稿してくださった方々の最高裁判決に関する解説やご自身の体験をご一読いただければ幸いです。さて、次号の特集は「私のボランティア活動」です。様々な体験談などをご紹介していただければ幸いです。
東京出身。88年より米ワシントンDC在住。ソニー本社国際通商業務室、法務部に勤務後、1990年、米ジョージタウン大学外交学部で国際関係修士号取得。公共政策専門チャンネルC-SPANの 日本向け番組制作を経て、現在、ワシントン在住のジャーナリストとして活動中。著書に『オバマ政治を採点する』(第二部インターネット・フリーダム)(日本評論社、2010年10月)、『Xavier’s Legacies: Catholicism in Modern Japanese Culture, Chapter 5 Kanayama Masahide: Catholicism and Mid-Twentieth-Century Japanese Diplomacy』(University of British Columbia Press、2011年3月)、『メトロポリタン・オペラのすべて』(音楽之友社、2011年6月)がある。