南カリフォルニアの風を感じて、いま思うこと

夏の間は家族と近くのビーチへ (週末の午後、CA州ハンティントンビーチ市)

夏の間は家族と近くのビーチへ (週末の午後、CA州ハンティントンビーチ市)

現在、私が夫と2人の子供と住んでいる人口300万人の南カリフォルニア・オレンジカウンティ(通称”OC”または”オレンジ郡”)は、ディズニーランドやメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスの本拠地があり観光地として賑わっています。また、サーフィンが有名なビーチタウンでもあり、ハイキングスポットも充実しています。気候は一年を通じて温暖、乾燥していて風が爽やか、晴れの日が多いので住みやすく、気持ちも開放的になります。春から夏にかけては、家族や気心の知れた友人たちと週末キャンプ旅行に出かけます。アウトドアが大の苦手だった私も、今では自分自身も自然と一体になる感覚が気に入っています。パンデミックが始まった後はアウトドアの人気度が急増し、キャンプ場の予約が難しくなりましたが、コロナ禍をきっかけに、自然に触れ合う醍醐味を知るキャンパーが増えるのはとてもプラスのことだと思います。私はパンデミック中(2020年夏~冬)、実家の秋田で過ごし、過去を振り返り、癒し、理解を深める貴重な時間となりました。そのプロセスを経たいまの自分が思うことをお伝えします。

第一の人生の節目–17歳で渡米

1978年、秋田市内の商家に生まれました。学業もスポーツも競争や順位が大事とされていた幼少期は、器械体操と合唱部に多くの時間を費やしていました。個性を尊重するというより協調性を持つことが絶賛されていた思春期は、いつまでも自己表現の方法が見つけられない自分に困惑していました。地元の高校を卒業直後、17歳の時にアメリカ・カリフォルニア州に留学しました。生まれてくる場所を間違えていたのではないかと感じるほどに、アメリカ生活にすんなりと馴染みました。

アメリカはシンプルで、いろんな人種がいて、いろんな考えや表現方法があって、それをOKとするこの国に魅了され、ようやく自分の居場所が見つかっただけではなく、「ありのままの自分」に自分がOKを出せる、霧が晴れたような清々しさ、心地よさを即座に肌で実感しました。あれほど退屈だと思っていた勉強が好きになりました。全く英語が話せなかったため、渡米先の語学学校の初級コースからスタートし、気付くとカリフォルニア大学サンタバーバラ校を卒業、グローバルスタディー専攻を経て世界平和に興味を持っていました。学生時代はスペイン留学、ハワイ留学、アフリカへバックパック旅行などして、世界を観てまわり、様々なことを吸収しました。
私の人生の第一の大きな節目は、このアメリカ留学でした。

緑豊かな広々とした大学のキャンパスで開放感を感じる(留学先CA州サンタバーバラ)

緑豊かな広々とした大学のキャンパスで開放感を感じる(留学先CA州サンタバーバラ)

第二の人生の節目– アメリカで仕事と育児両立の果てにたどり着いたヨガとマインドフルネス

大学卒業後は日本に帰国し、東京にある外資系医療機器メーカーに就職。数年間、製品苦情スペシャリストとして勤務。米国へ長期出張もあり、生活の質 (QOL) の向上がテーマのやりがいのある職場でした。その後、結婚を機に再び渡米。ロサンゼルスとサンディエゴの中間に位置する、オレンジカウンティに居を構えました。余談ですが、ちょうどアメリカでは2009年に景気刺激策が施行され、私たちのような若い夫婦にも初めてのマイホームが買えるようなタイミングでした。2児出産後、育児と両立しながら、同じ医療機器の業界で仕事を続けましたが、心身共に疲労がピークに達し、体調を崩し退職。その頃、第二の人生の節目である、ヨガとの出逢いがありました。

体調回復が目的でしばらくゆっくり子育てに専念しようと決めるも、会社勤めや社会からの「脱落者」として情けなさや焦りが抜けきれず、自分を責めることもありました。体力づくりのためヨガ教室に通い続けるうちに、体だけではなく、心にゆとりが持てるようになりました。それは体の中に一本の軸がスッと整うような感覚で、感情の起伏も自然に制御できるようになりました。これは後に気づく「今この瞬間に意識を向ける」マインドフルネスとの出逢いでもあり、幸せに生きるためのツールとして、今も生活の一部として実践しているものでもあります。

全てには意味がある 巡りめぐる 必要なことは絶妙なタイミングで訪れる

今までの人生を振り返ってみると、全ての出来事には意味がありました。
うまく馴染めなかった生まれ故郷から、ティーンエイジャーで渡米。幼少期習っていた器械体操や合唱は「向いていない」と信じ込んでいました。しかし今、ヨガインストラクターが天職のように思えるのは、8年間の体操競技で身に付いた柔軟性やバランス力が発揮されているからでした。声の質を認められ、合唱コンクールのソロを歌った小学生の経験は、ヨガを誘導する私の声が心地よいと言う生徒さんの感想をもらい、未来のスキルに繋がっていたことに気づきました。困惑していた思春期があったからこそ、心の面でサポートを必要としている人へ寄り添いたいと思えるのでした。

広がる水平線や鮮やかな夕日をいつまでも海辺で眺めたり、丘の上で風を感じながら壮大な景色を見渡したり、カリフォルニアはいつでも気分を晴れやかに開放的にしてくれます。心地よいそよ風と共に新しいアイデアを生み出してくれ、うまくいかない時はあたたかい太陽が受けとめてくれます。

全ての出来事には意味があって、無駄な経験などないことを、ヨガを軸として生きる上で知りました。そしてその出来事は、追いかけて手に入れるものではなく、巡りめぐる人生の絶妙なタイミングでふと訪れるものではないでしょうか。いまは、ありのままの自然体で生きるのが一番いいのではないか、というところに至っています。

キャンプサイトで瞑想(朝焼けのCA州ジョシュアツリー国立公園) 

キャンプサイトで瞑想(朝焼けのCA州ジョシュアツリー国立公園) 

沈む夕日に拍手がわき起こって一体感を感じる(サンセット時のパシフィックビーチ、CA州サンディエゴ市)

沈む夕日に拍手がわき起こって一体感を感じる(サンセット時のパシフィックビーチ、CA州サンディエゴ市)

ありのままの自然体でいられるよろこびを子どもたちへ伝える

公園キッズヨガの様子 (夕方のオレンジカウンティ、CA州アーバイン市)

公園キッズヨガの様子 (夕方のオレンジカウンティ、CA州アーバイン市)

現在、オレンジカウンティでキッズヨガインストラクターとして活動しています。パンデミックで運動不足になっている子どもたちの身体能力を養うと共に、内面のサポート、心のケアも大切にしています。「みんな違って、みんないい」「ありのままでいい」というテーマで、いろいろな角度から子どもたちの心とからだの健康サポートをすることを生涯のライフワークとしています。自身の育児と並行して、カリフォルニアに住む子どもと触れ合う一瞬一瞬に感謝の気持ちが溢れます。特に日系在米の子どもたち向けに日本の文化を織り交ぜながら、ヨガ、クラフトアート、マインドフルネスの教室、イベントを開催することに生きがいを感じています。

パンデミック中、近所で親子ペアヨガ(朝のバックベイ、CA州ニューポートビーチ市)

パンデミック中、近所で親子ペアヨガ(朝のバックベイ、CA州ニューポートビーチ市)

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