やっぱり日本はいいな~八ヶ岳・小渕沢訪問記

小渕沢付近から望む八ヶ岳(写真:townphoto.netより)

小渕沢付近から望む八ヶ岳(写真:townphoto.netより)

「星野リゾナーレ八ヶ岳」に滞在

2022年8月、八ヶ岳南麓の小淵沢(山梨県)を家族で訪ねました。コロナ・ウイルス流行で一時帰国できずにいたため、約3年ぶりの日本です。のどかなところで、おいしいものを食べ、いろいろなアクティビティも楽しみたいと、「星野リゾナーレ八ヶ岳」に滞在。近郊の美術館やレストランも満喫し、リフレッシュしてきました。

まず新宿から特急「あずさ」で小渕沢駅へ。狩人のヒット曲「あずさ2号」が頭の中をリフレインしていました。駅には、リゾードの送迎バスが待っていて、ドライバーの案内でさっそく優美な富士山を拝むことができました。

ホテルはモダンな作りで、広々としたロビーや八ヶ岳を望めるテラス、巨大なプールや、陶芸や木工ができるアートセンター、森の空中散歩・クライミング、大浴場、カフェ・ベーカリー・雑貨店などが並ぶマルシェ、ワインハウス、興味深い素敵な本がそろった本屋まであります。一人で(子持ちの方なら共感いただけるだろう、この一人時間の贅沢さ!!)テラスで山の涼やかな風を感じながら、ローカル・ビールを飲み、「トム・ソーヤの冒険」の文庫本を読み返したのが心に残るひとときでした。

息子はビーチプールと森の空中散歩にご満悦

日本語を解さない米国人の夫と8歳の息子が気に入ったのは、プールと森の空中散歩です。広大な屋内プールは、外光がたくさん入り、ビーチのような浅瀬があります(ビーチバーもあり)。1時間毎に10分ほど人工の波を作ってくれ、ちょっとした波遊びもできるので、バナナボートやビーチボールを借りて、夫と息子はクタクタになるまで遊んでいました。

森の空中散歩は、木の上にめぐらされたアスレチックのようなもので、落ちても大丈夫なように安全ロープを装着した上で綱渡りをしたり、グラグラ揺れる木の板などを渡ったり、ジップラインでターザンのように滑り降りたりします。最初は怖くて腰が引けて泣きべそだった息子も、スタッフのお兄さんに励まされ、何回か繰り返すうちに軽々とクリアできるようになりました。また自信がついたのか、その後で挑戦したクライミングでも高さ10メールの壁もグイグイ登っていました。お転婆だった私は、子供のころ、学校の校庭の野球用バックネットを登ったり、近所の家の塀や屋根に上ったりして、ドキドキする冒険を味わっていたので、それと似た経験をさせてあげられて嬉しかったけれど、リゾートでそれをやる(リゾードでしかできない?)ところがご時世でしょうか。

森の空中で自信をつけ、グイグイ壁を登る息子

森の空中で自信をつけ、グイグイ壁を登る息子

米国の大味と正反対のレストランで幸せ

また地図を片手に散歩をしながら、レストランも楽しみました。馬術競技場を過ぎ、美しい白樺林を抜けたところにある「マジョラム」は、「草ぼうぼう」なのか「ナチュラル」なのかはわからないようなガーデンに囲まれた気取らないパスタ&ピザ・レストラン。パスタの茹で具合といい、モッツアレラチーズとクラストの味といい、「丁寧においしいものを作ろうとしたらこうなる」という感じのおいしさで、米国の大味との違いに泣けてきました。また、その横にあるそばきり「祥香」も、ゆでたてのつるんと透明感のあるうどんとおいしい野菜の料理に感動して2回も通ってしまいました。勇み足で開店前に到着した私たちがそぼふる雨の中に立っていると「中で待ってください」と戸を開けてくださったご主人の優しさも心に残っています。

サクサクのかき揚げがのったうどん@「祥香」

サクサクのかき揚げがのったうどん@「祥香」

念願の平山郁夫美術館へ

周辺の車道は、車がギリギリですれ違えるくらいの幅しかなく、歩道なし、側溝あり。日本人の私には「田舎道はそんなもの」ですが、車社会の米国育ちの夫が、そんなところを歩いたり、自転車で行ったりするのは危険と難色を示したため、遠出の散歩は私一人で出かけました。

立ち寄ったのは天然素材・草木染の糸や布を扱う工房「のら」。大量生産のモノにない優しい風合い・色の布を見て触って贅沢さにため息がでました。途中で再び富士山を拝みながら、さらに歩くこと40分強。ようやく念願の平山郁夫シルクロード美術館に到着しました。見たかった「パルミラ遺跡を行く(朝、夜)」と「シルクロードを行くキャラバン(月、太陽)」は、美しさで心が澄みわたるようでした。どうしたらあの魔法のような深い青色が作れるのでしょう。また、若き日の平山画伯がヨーロッパを訪れたときの写生絵巻も興味深かったです。精緻なのにキュートで「一枚もらって額にいれて飾ったら素敵!」なんて思ってしまいました(不謹慎ですみません)。朝から晩まで何枚も何枚もひたすら描き続けたとのことで、才能に恵まれた方も大変な努力をされたのですね。

散歩の途中で立ち寄った工房「のら」

散歩の途中で立ち寄った工房「のら」

訪れることはできませんでしたが、小渕沢にはほかに中村キース・ヘリング美術館、絵本美術館、えほん村、身曾岐神社など心惹かれる観光スポットがたくさんありました。米国東海岸から遠いけれど、美しく優しい風景、おいしい食べ物、豊かな文化が楽しめる日本はやっぱりいいですね。あ~、また行きたい。


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